シリーズ第15弾となる読者会は、「現金出納管理、手形・小切手管理 編」です。
今回からは、経理・財務サービス スキルスタンダードの”財務業務”分野ということもあり、新しい講師として長岡和範先生をお迎えすることになりました。
長岡先生は、金融機関のご出身ということで財務分野を得意とされているUSCPAです。
今までとは一味違った読者会になりそうな予感がします。一体どんな読者会になるのでしょうか・・・?
お話の冒頭で、先生から「手形を見たことがある方はどのくらいいますか?」との問いかけがありましたが、実際に見たことがないという方もいらっしゃいましたね。
会社の業界によって、また手形の種類によっても使う頻度が異なるようですアメリカでは一応存在はしているものの、商取引における資金の融通という形では使われていないようです。
一方、日本ではその歴史も古く、日本独特の大事な商慣習のひとつということがわかりました。
そして、手形の機能や使用するときの基本的な流れ、また「下請代金支払遅延防止法」に関して、手形取引における問題点についても学ぶことができました。
20年前と比べると、手形取引の交換金額は約10分の1に減少しているそうですが、皆さまの会社では、手形を使っていますか?
使用頻度が減ってきているとはいえ、実務ではおさえておきたい大切なポイントの一つですね。
そして、新しい取り組みとして「電子記録債権取引」についてもご紹介頂きました。
電子記録債権というのは、手形・売掛債権を電子化したものではなく、それに代わる全く新しい債権の種類です。
古くからある手形、現在のスタンダードであるファームバンキングなどを利用した現金取引、そして新たな「電子記録債権取引」の3つのメリットをよく理解して、使い分けていきたいところです。
後半は、現金出納の実務で想定されるリスクについて、ディスカッションを行いました。
ある架空の中小企業において起こった不正(横領)について、小切手の管理方法や、登場人物とそれぞれの役割などを一つのストーリーにまとめたものを皆さまにお渡ししました。
そのケースの中で、「どこに問題があったのか」「再発を防ぐためにはどのような策をとったらよいのか」などをグループで話し合って発表して頂きました。
相互チェック体制がないこと、経理と財務の担当者が同じ担当者であること、マニュアルの未整備…などなど、実務に携わっている皆さまだからこそ考えられるご意見がたくさん出ていました。
実際には、小規模な会社であれば、経理を含む管理部門をお一人で担当しているというケースも多くあると思います。
そういった場合にはどのようにリスクに対処するかということも議論の焦点になりました。
また、長岡先生の海外赴任経験から、外資系企業での事例なども多くご紹介頂きました。
今までの読者会ではなかなか聞くことができなかった貴重なお話もお伺いすることができ、非常に興味深い内容でした。
皆さまも、ご自身の会社では内部統制の観点から、リスクや問題点がないかどうか、改めて考え直す良い機会になったのではないでしょうか。
セミナー終了後のアンケートでは、このようなお声を頂きました。
次回は引き続き財務分野、「有価証券管理 編」です。
それでは、また次の読者会でお会いしましょう!
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