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社会人が日商簿記3級に合格するための勉強時間と効率的スケジュール術

ジャスネットキャリア編集部

働きながら資格を取得したいと考える社会人の方にとって、日商簿記3級は魅力的な選択肢の一つです。しかし、「実際どれくらいの勉強時間が必要なのか」「仕事をしながらでも合格できるのか」といった疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。

日商簿記3級の合格に必要な勉強時間は約100時間とされており、適切なスケジュール管理と効率的な学習方法を実践すれば、社会人でも十分合格を目指すことができます。

本記事では、働きながら勉強する社会人の方に向けて、現実的で継続可能な学習計画の立て方から、限られた時間を最大限活用する方法まで、実践的なアドバイスをご提供いたします。

目次

    日商簿記3級の基本情報と勉強時間の目安

    (1)日商簿記3級の試験概要と重要性

    日商簿記3級は、日本商工会議所が主催する検定試験で、業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが身に付けておくべき「必須の基本知識」として、多くの企業から評価される資格として位置づけられています。試験では商業簿記に関する基本的な知識が問われ、中小企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベルの内容が出題されます。

    社会人にとって簿記3級は、単なる資格取得以上の意味を持ちます。経理や管理系の部署でなくても、売上や経費の管理、投資判断など、ビジネスの様々な場面で簿記の知識が活用されています。また、転職やキャリアアップを考える際にも、簿記3級の取得は確実にプラス要素となるでしょう。

    (2)必要な勉強時間の具体的な目安

    日商簿記3級の合格に必要な勉強時間の目安は、 講座を利用する場合で50~100時間です。独学で勉強する場合にはもう少し長い時間の、100~150時間程度 を見込んでおくとよいでしょう。これは初学者を想定した時間であり、すでに経理業務の経験がある方や商業高校出身の方は、これより短い時間で合格できる可能性があります。

    実際の勉強時間は個人差が大きく、数学が苦手な方や計算に慣れていない方はより多くの時間が必要になる場合もあります。しかし、100時間という時間は忙しい社会人の方でも、十分に捻出可能な時間と考えて良いでしょう。重要なのは、無理のないペースで継続することです。

    社会人の現実的な学習期間設定

    (1)標準的な学習期間パターン

    1日あたり1.5~2時間程度の勉強時間を確保した場合は2~2.5ヶ月の学習期間が目安 となります。もう少し余裕を持ちたい場合は、3~4ヶ月を設定することをお勧めします。

    平日の勉強時間確保が困難な方は、土日を中心とした学習スケジュールも有効的です。例えば、平日は30分程度の復習にとどめ、土日に3~4時間集中して学習するパターンも考えられます。この場合でも、3~4ヶ月の期間を設定すれば十分な学習時間を確保できるでしょう。

    (2)短期集中での合格も可能

    意欲と時間がある方であれば、 1ヶ月での合格も不可能ではありません 。土日も休まずに毎日3時間勉強する覚悟が必要となります。

    短期合格を目指す場合は、効率的な学習方法と強い意志が不可欠です。仕事が繁忙期でない時期を選び、家族の理解と協力を得ることも重要な成功要因となります。

    ★無理なスケジュールは挫折の原因にもなるため、自分の生活リズムを十分考慮して期間設定を行いましょう!

    社会人のための1日のスケジュール戦略

    (1)平日の効率的な時間活用法

    社会人が平日に勉強時間を確保するには、工夫が必要です。 朝30分、昼休憩に30分、業務後に1~2時間の計2~3時間というパターンが理想的 です。実際には1~2時間程度が現実的ではないでしょうか。

    オススメは朝の時間を活用 することです。朝は頭がすっきりしており、集中力も高い状態で学習に取り組めます。朝少し早く起きて勉強すれば、集中力を保った状態で、(仕事時間までという)時間制限があるので割と効率よく学習でき、学習の習慣がついたという体験談もあります。

    通勤時間も貴重な学習時間として活用できます。便利なスマホアプリを使用すれば、通勤中や休憩中の隙間時間でも効率的に勉強することは可能です。

    (2)休日の集中学習プラン

    休日はまとまった問題演習に時間を充てることが効果的です。 2~5時間程度の学習時間を確保 することで、平日の不足分を補うことができます。

    オススメは、 午前の時間帯を有効活用 することです。疲労が蓄積しておらず、集中力も高い状態で、難しい概念の理解や複雑な計算問題に取り組むのに適しています。午後は復習や軽い問題演習に充てることで、1日を通して効率的な学習ができるでしょう。

    1日の学習スケジュール

    【社会人の1日勉強スケジュール例】

    06:00-07:00 ■朝活勉強時間■ (1時間)

    • 基本概念の理解
    • 前日の復習

    12:30-13:00 ■昼休み勉強時間■ (30分)

    • スマホアプリを用いた学習
    • 用語の暗記

    19:00-20:30 ■帰宅後勉強時間■ (1.5時間)

    • 問題演習
    • テキスト読解

    平日合計:約3時間


    【休日の学習スケジュール例】

    09:00-12:00 ■午前集中学習■ (3時間)

    • 新しい単元の学習

    14:00-16:00 ■午後復習時間■ (2時間)

    • 問題演習
    • 弱点補強

    休日合計:約5時間

    効果的な勉強方法と学習フェーズ

    (1)基礎固めフェーズ(学習開始~3週間)

    基本概念の理解に重点を置きます。簿記の基礎をしっかり理解するために参考書を1冊読み通すことが大切です。時間がないという理由で基礎ができていないまま、問題を解こうとすると難しく感じ、簿記に対して苦手意識を持ってしまう可能性があるからです。

    この期間では、勘定科目の種類や仕訳のルールなど、簿記の基本的な仕組みを理解することが最優先です。完璧を求めすぎず、 まずは全体像を把握することから始めましょう 。分からない部分があっても、一度通して読み進めることが重要です。

    (2)実践演習フェーズ(3週間~6週間)

    基礎理解ができたら、問題演習に移ります。簿記の基礎を理解できたら、まずは個別問題を解き、次にサンプル問題を解くことに集中しましょう。本来であれば過去問題を解きたいところですが、過去問題が公表されなくなりました。その代わりに、日本商工会議所のホームページにサンプル問題が掲載されているため、それを解き時間配分の感覚を身につけましょう。

    この段階では、 間違えた問題の解き直しが特に重要 です。ミスはそのままにせずにしっかりと見直し、理解を深めることが大切です。また、なぜ間違えたのかを分析し、正しい解法を身に付けましょう。

    (3)直前対策フェーズ(試験2週間前~試験当日)

    これまで学習した内容の総仕上げに時間を充てます。新しい内容を学習するのではなく、 既に学んだ内容の確実な定着を図ることが重要 です。各スクールなどが提供している模擬試験形式で練習を重ね、制限時間内に確実に解答できる力を養いましょう。

    また、計算ミスや記入ミスなどのケアレスミスを防ぐための練習も欠かせません。電卓の使い方に慣れ、見直しの習慣をつけることで、本番でのミスを最小限に抑えることができます。

    挫折しないための継続のコツ

    (1)現実的な目標設定と柔軟性

    継続的な学習のためには、現実的な目標設定が不可欠です。一般的に平日の勉強時間は、一日1~2時間程度にして休日にまとめて勉強時間を確保する方が多いです。無理な計画は挫折の原因となるため、自分の生活リズムに合わせた無理のない計画を立てることが重要です。

    また、計画通りに進まない日があっても、自分を責めすぎないことも大切です。 重要なのは完璧を目指すことではなく、継続すること です。1日の目標が達成できなかった場合は、翌日や休日で調整するなど、柔軟に対応しましょう。

    (2)モチベーション維持の工夫

    長期間の学習を継続するには、モチベーションの維持に悩むこともあります。学習の進捗を可視化することで、達成感を得ながら学習を続けることができます。

    例えば、 カレンダーやスマホのメモアプリに学習時間を記録 したり、理解できた単元にチェックマークをつけたりなどやったことを可視化することで、自分の成長を実感できるでしょう。

    また、受験日を決めて勉強スケジュールを組み立てることも効果的です。明確な目標があることで、学習に対するモチベーションを維持しやすくなります。試験申込みを済ませることで、後に引けない状況を作ることも有効な手段の一つです。

    学習環境と教材選びのポイント

    (1)効率的な学習環境の整備

    繰り返しになりますが、社会人が資格取得をするには、限られた時間を最大限に活用するための環境整備が重要です。自宅での学習環境はもちろん、移動時間や休憩時間も学習に活用できるよう工夫しましょう。

    前述したように、スマートフォンに学習アプリをインストールしておけば、通勤中や打合せの待ち時間までのほんの少しの時間や、風呂につかりながらアプリで仕訳問題を解くなど、空いた時間を有効活用することができます。このような隙間時間の積み重ねが、総学習時間の増加につながります。

    (2)適切な教材選択の基準

    教材選びは学習効率に大きく影響します。特に独学の場合は、参考書選びが非常に重要です。自分のレベルに合ったもので、見やすく、理解しやすい参考書を選びましょう。 多くの教材に手を出すよりも、1冊の教材を完璧にマスターする方が効果的 です。

    オススメは、図表や例題が豊富で、実務との関連がイメージしやすい教材です。また、スマートフォンアプリと連携している教材であれば、隙間時間の学習にも活用できて便利です。

    なお、ジャスネットでも完全無料の講座がありますので、こちらをご活用ください。

    【リンク】
    経理職を目指す人のための 日商簿記3級講座
    https://career.jusnet.co.jp/entry/video-bookkeeping/

    試験形式の選択と対策のポイント

    (1)統一試験とネット試験の特徴比較

    日商簿記3級では、 年間3回の統一試験(ペーパーテスト) と、 随時実施しているネット試験 の2種類から選択できます。統一試験は年3回(2月、6月、11月)の限定された日程ですが、ネット試験はテストセンターの空席があればいつでも受験可能です。

    もし試験に落ちたとしても、またすぐに再受験できるのがネット試験のメリットです。社会人にとっては、自分の学習進度に合わせて受験日を調整できる点で、ネット試験の方が利便性は高いと言えるでしょう。

    (2)各試験形式に応じた対策法

    統一試験とネット試験では、微妙に出題傾向が異なる場合があります。統一試験の方は少し難しく、ネット試験の方が合格しやすいという意見もありますが、どちらを選択するにしても、基本的な学習内容は変わりません。

    重要なのは、選択した試験形式に応じた対策を行うことです。ネット試験を選択する場合は、パソコンでの入力操作に慣れておく必要があります。

    簿記3級合格への最終ステップ

    (1)模擬試験と弱点補強

    本格的な試験対策として、模擬試験の活用は欠かせません。安定して70点以上を取れるようになれば、ほぼほぼ合格圏内のレベルと考えて良いでしょう。模擬試験を通じて、時間配分の感覚を身につけ、本番での緊張感に慣れることが重要です。

    模擬試験で判明した弱点は、試験までに必ず補強しておきましょう。特に計算ミスが多い分野や、理解が曖昧な概念については、集中的に復習することが合格への近道となります。

    (2)試験当日に向けた最終準備

    試験当日のパフォーマンスを最大化するため、事前準備を怠らないようにしましょう。電卓の操作に慣れ、試験会場までの交通手段を確認し、当日のスケジュールを事前にシミュレーションしておくことが大切です。

    また、試験前日は新しい内容を学習するのではなく、これまで学習した内容の軽い復習程度にとどめ、十分な睡眠をとることを優先しましょう。コンディションを整えることも、合格への重要な要素の一つです。

    まとめ

    社会人が働きながら日商簿記3級に合格することは、適切な学習計画と継続的な努力があれば十分可能です。約100時間という学習時間は決して短くありませんが、効率的な時間活用と継続的な学習により、確実に合格レベルに到達できるでしょう。

    重要なのは、自分のライフスタイルに合った無理のない学習計画を立て、それを着実に実行することです。簿記3級の取得は、ビジネスパーソンとしてのスキルアップにつながる価値ある投資となるはずです。

    講師プロフィール

    ジャスネットキャリア編集部

    WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
    会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。

    編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。