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日商簿記検定3級・2級ネット試験の持ち物は? これを読めば当日の不安解消!

ジャスネットキャリア編集部

2020年12月から開始された日商簿記3級・2級のネット試験は、年間を通じて受験できる便利な試験形式として多くの受験生に利用されています。しかし、初めてネット試験を受ける方の多くが「当日何を持参すればいいの?」「どんな身分証明書が必要?」「電卓は何でも大丈夫?」といった疑問を抱えています。

このコラムでは、日商簿記3級・2級のネット試験における持ち物から当日の流れ、準備のポイントまで、受験生が安心して試験に臨めるよう詳しく解説していきます。適切な準備をすることで、実力を最大限発揮できる環境を整えましょう。

目次

    ネット試験の基本情報と持ち物の重要性

    (1)ネット試験と統一試験の違いについて

    日商簿記3級・2級のネット試験は、従来の年3回実施される統一試験(ペーパー試験)とは別に、 年間を通じて受験できる試験形式 です。出題範囲や試験時間、合格基準は統一試験と全く同じですが、 パソコン画面上で問題を読み、キーボードやマウスで解答を入力する 点が大きく異なります。

    特に東京商工会議所では、2023年4月から2級・3級の統一試験が廃止され、ネット試験のみの実施となっており、今後ネット試験の重要性がさらに高まっています。

    ネット試験は施行休止期間(統一試験の前後約10日間)を除き、 平日・土日問わず受験可能で、申込から3日後以降の試験日を自由に選択できる 柔軟性が魅力です。

    (2)持ち物準備が合否を左右する理由

    ネット試験に限った話ではありませんが、持ち物の不備により受験できなくなったり、普段使い慣れていない道具で実力を発揮できなかったりするケースが少なくありません。特に身分証明書を忘れた場合は受験そのものができなくなります。また、電卓を忘れてしまい近所で購入した場合などは、使い慣れていないものは計算スピードに大きく影響を及ぼす可能性があります。

    統一試験と違って、ネット試験は当日の持ち込み制限が厳しく、 会場で配布される筆記用具以外は基本的に使用できません 。そのため、事前に正確な持ち物リストを把握し、適切な準備をすることが合格への第一歩となるのです。

    必須持ち物:身分証明書の完全ガイド

    (1)受け入れ可能な身分証明書の種類

    ネット試験では、本人確認のため「氏名、生年月日、顔写真のすべてが確認できる身分証明書」の提示が必須です。日本商工会議所が認めている身分証明書には以下があります。ただし、スマートフォン用アプリ等の電子機器を利用した学生証や身分証、写真データでの提示は不可となります。

    ①運転免許証

    最も一般的で確実な身分証明書です。有効期限内のものであれば問題なく使用できます。

    ②パスポート

    国際的に通用する身分証明書として受け入れられますが、2020年2月以降に申請したパスポートは住所欄がないため、住所確認が必要な場合は注意が必要です。

    ③学生証、社員証

    学生の方は学生証、会社員の方は社員証も利用可能ですが、これらは発行機関により形式が異なるため、事前に顔写真と生年月日が明記されているかを確認しておくことが大切です。

    ④個人番号カード(マイナンバーカード)

    公的な身分証明書として有効です。番号部分を隠すシールなどが貼られていても構いません。

    (2)身分証明書を忘れた場合の対処法と注意点

    身分証明書を忘れた場合、原則として受験はできません。ただし、 試験会場によっては受験希望者の身分確認について個別に相談に応じる場合がある ため、まずは会場スタッフに相談してみることをお勧めします。しかし、これは例外的な対応であり、確実ではないため、必ず忘れずに持参することが重要です。

    また、身分証明書の有効期限切れにも注意が必要です。運転免許証の更新忘れやパスポートの期限切れなど、うっかりミスで受験できなくなるケースもあります。受験日の1週間前には 必ず有効期限を確認 し、期限切れの場合は更新手続きを済ませるか、別の身分証明書を準備しておきましょう。

    氏名変更があった場合も注意が必要です。結婚などで姓が変わった場合、申込時の氏名と身分証明書の氏名が一致しない可能性があります。この場合は事前に受験申込の変更手続きを行うなどの対応が必要です。

    電卓選びの重要ポイントと禁止機能

    (1)使用可能な電卓の基本条件

    日商簿記のネット試験では、電卓の使用が認められていますが、使用できる電卓には明確な制限があります。基本的に「四則演算機能のみ」の電卓が使用可能で、商工会議所の規定によると、計算機能に特化したタイプに限定されています。

    表示桁数については、最低でも10桁、推奨は12桁の電卓を選ぶことが重要です。簿記3級では10桁でも対応可能ですが、2級以上や将来的に経理業務で使用することを考えると、12桁表示の電卓を選んでおく方が安心です。また、手のひらサイズ(縦15〜20cm×横10〜15cm程度)で、滑り止めが付いているものが操作性と安定性の面で優れています。

    キー配列についてはシャープ配列とカシオ配列の2種類があるようです。 重要なのは普段の学習で使い慣れた電卓を本番でも使用する ことです。また、キーロールオーバー機能(早打ち機能)が搭載されているものを選ぶと、高速入力時でも正確に計算できるため、時間短縮に効果的です。

    (2)絶対に持ち込んではいけない禁止電卓

    ネット試験では、以下の機能を搭載した電卓の持ち込みが厳格に禁止されています。

    ①印刷機能や出力機能を備えた電卓

    ②メロディー機能や音が出る機能がある電卓(検算機能で音が出るタイプの電卓も使用不可)

    ③プログラム機能を搭載した電卓

    これには関数電卓、グラフ電卓、売価・原価計算機能付き電卓、金融電卓などが含まれます。一見普通の電卓に見えても、公式の記憶機能や複雑な計算機能が内蔵されているものは使用できないため注意が必要です。

    ④辞書機能や文字入力機能を持つ電卓

    ただし、日数計算、時間計算、換算機能、税計算、検算機能(音が出ないもの)については、プログラム機能に該当しないとして使用が認められています。スマートフォンやタブレット端末の電卓アプリは一切使用できないため、必ず専用の電卓を準備する必要があります。

    統一試験では「そろばん」の使用も認められていますが、ネット試験では電卓のみの使用となり、そろばんは持ち込み不可 となっている点も重要な違いです。

    その他の重要な持ち物と準備事項

    (1)時計と筆記用具の取り扱い

    ネット試験では、 会場にボールペンと計算用紙(A4サイズ2枚)が配布されるため、筆記用具を持参する必要はありません 。むしろ、自分の筆記用具やノート類は持ち込み禁止となっているため、うっかり持参しないよう注意が必要です。会場で配布されるボールペンの種類は会場により異なりますが、どのような筆記用具でもスムーズに使用できるよう心の準備をしておくことが大切です。

    時計については、会場に時計が設置されていない場合があるため、 腕時計の持参をオススメ します。ただし、使用できる時計は「通信機能のない時計で、音が出ないもの」に限定されています。 スマートウォッチやアラーム機能付きの時計は使用できない ため、シンプルなアナログまたはデジタル時計を選びましょう。

    (2)当日の持ち物チェックリストと忘れ物対策

    試験当日の忘れ物を防ぐため、前日までに以下のチェックリストを確認しておくことをお勧めします。

    【必須項目】

    ①身分証明書(有効期限内で氏名・生年月日・顔写真が確認できるもの)

    ②電卓(使用可能な機能のもの、予備があると安心)

    ③腕時計(通信機能なし、音が出ないもの)

    【任意項目】

    ①受験票のプリントアウト(ネット試験では発行されませんが、確認メールの印刷)

    ②マスク(着用は個人の判断に委ねられていますが、会場の方針により必要な場合があります)

    ③ハンカチ・ティッシュ(必要最小限)など

    荷物については、貴重品以外は指定のロッカーに預ける必要があるため、当日は最小限の持ち物で向かうことが理想的です。また、受験会場までの交通手段や所要時間も事前に確認し、余裕を持って到着できるよう計画しておきましょう。

    試験当日の流れと注意点

    (1)会場到着から受験開始までの手順

    ①会場到着・受付

    当日は、試験開始時刻の30分前から5分前までに会場に到着・入室する必要があります。受付で身分証明書を提示し、本人確認を受けた後、試験監督員から「受験ログイン情報シート」を受け取ります。このシートには受験者のID・パスワードが記載されており、試験開始に必要な重要な書類です。記載内容に間違いがないか確認し、問題なければ署名をします。

    ②手荷物預け入れ・入室

    携帯電話、上着、バッグなどの手荷物を指定のロッカーに預けます。ロッカーがない会場では、会場スタッフの指示に従って適切な場所に保管します。身分証明書と電卓のみを持参し、会場で配布される筆記用具とメモ用紙(A4サイズ2枚)を受け取って試験室に入室します。

    ③着席・試験開始

    指定された席に着席し、パソコンに受験ログイン情報シートに記載されたIDとパスワードを入力します。画面に表示される試験科目を確認し、間違いがなければ試験開始となります。

    この一連の流れはスムーズに進行するため、事前に手順を把握しておくことで当日の緊張を軽減できます。

    (2)試験中のマナーと注意すべきポイント

    試験内容に関する質問は一切受け付けられないため、問題文の解釈などで迷った場合も自力で判断する必要があります。

    パソコンの操作中にエラーが発生した場合やマシントラブルが起きた場合は、慌てず試験監督員に報告する ことが必要です。焦って自分で解決しようとせず、必ず監督員の指示に従いましょう。

    試験は途中退室可能 です。時間内であっても「終了」ボタンを押して試験を終了し、スコアボードを印刷し受け取った後、退室できます。十分に見直しを行ってから終了するようにしましょう。

    計算用紙は試験終了後に回収されるため、持ち帰ることはできません。メモや計算過程を残したい気持ちもあるかもしれませんが、これは不正行為防止のための規則ですので必ず守りましょう。

    ネット試験特有の対策と心構え

    (1)パソコン操作に慣れるための事前準備

    ネット試験では、すべての解答をパソコンで入力する必要があるため、 基本的なパソコン操作スキルが不可欠 です。特に重要なのは、テンキーを使った数値入力とマウス操作による選択肢の選択です。普段パソコンをあまり使わない方は、事前にタイピング練習ソフトなどを使用してキーボード操作に慣れておくことをお勧めします。

    勘定科目の入力については、多くの問題でプルダウンメニューから選択する形式 となっています。また、金額欄への数値入力では、小数点以下の桁数や桁区切りの表示方法に注意が必要です。事前に日本商工会議所が提供している模擬問題や、各スクールが提供するネット試験対応の練習問題を活用して、実際の操作感覚を掴んでおくことが重要です。

    画面の見やすさについても配慮が必要です。会場のモニターサイズや解像度は統一されていないため、文字の大きさや問題文の表示方法に違いがある場合があります。どのような環境でも集中して問題を解けるよう気持ちの準備しておきましょう。

    (2)時間配分と解答戦略の立て方

    ネット試験では、画面上での問題確認と解答入力に予想以上に時間がかかる場合があります。そのため、 統一試験よりもやや厳しい時間配分を意識して練習する ことが重要です。3級は60分、2級は90分という制限時間は統一試験と同じですが、画面スクロールや解答欄への移動時間も考慮した戦略が必要です。

    効果的な解答順序としては、 まず全体を通して問題を確認し、解答しやすい問題から順番に取り組む ことをお勧めします。特に仕訳問題は比較的短時間で解答できるため、最初に取り組んで確実に得点を重ねることが効果的です。一方、財務諸表作成などの時間のかかる問題は後回しにし、十分な時間を確保してから取り組みましょう。

    計算用紙の使い方も戦略的に考える必要があります。A4サイズ2枚という限られた用紙を効率的に使用するため、 問題ごとに使用範囲を決めたり、重要な計算は見やすい場所にまとめたりする習慣を身につけておきましょう 。また、見直し時間も必ず確保し、特に数値入力のミスがないか最終チェックを行うことが合格への最後の砦となります。

    まとめ:成功する受験のための最終チェック

    日商簿記3級・2級のネット試験は、適切な準備を行うことで確実に合格を目指せる試験です。持ち物については、身分証明書と使用可能な電卓の2点が絶対必要で、特に身分証明書は氏名・生年月日・顔写真がすべて確認できるものを必ず持参しましょう。電卓は四則演算機能のみのもので、12桁表示かつ手のひらサイズのものが理想的です。

    試験当日は30分前には会場に到着し、受付から受験開始までの流れを把握しておくことで、緊張を最小限に抑えることができます。パソコン操作に不慣れな方は、事前の練習が合否を分けるポイントとなるため、模擬問題などを活用して操作感覚を身につけておくことが重要です。

    最も大切なのは、これらの準備を通じて当日に自信を持って試験に臨めることです。持ち物の心配をすることなく、培った簿記の知識と技能を最大限に発揮して、ぜひ合格を勝ち取ってください。適切な準備は必ず良い結果につながります。

    講師プロフィール

    ジャスネットキャリア編集部

    WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
    会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。

    編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。