日商簿記3級 想定問題集
第1回
第1問
下記の各取引について仕訳しなさい。ただし、勘定科目は、各取引の下の勘定科目から最も適当と思われるものを選び、記号で解答すること。
-
従業員が事業用のICカードから旅費交通費¥1,200および消耗品費¥650を支払った。なお、ICカードのチャージ(入金)については、チャージ時に仮払金勘定で処理している。
- ア.現金
- イ.仮払金
- ウ.旅費交通費
- エ.未払金
- オ.消耗品費
◆ 解答
第1問
◆ 解説
第1問 仕訳問題
-
ICカードの使用分を適切な勘定科目へ振り替える。なお、ICカードの残高は「仮払金(資産)」で処理されているため、仮払金勘定を減額する。(第154回一部改訂)
-
得意先沖縄商事より商品の手付金として¥600,000を得意先振り出しの小切手で受け取った。
- ア.現金
- イ.当座預金
- ウ.売上
- エ.前受金
- オ.仕入
◆ 解答
第1問
◆ 解説
第1問 仕訳問題
-
手付金の受取りは、将来商品を引き渡す義務が生じるため「前受金(負債)」で処理する。小切手を受け取った場合には、現金同等物に該当するため、「現金(資産)」で処理する。
-
不用になった備品(取得原価¥1,300,000、減価償却累計額¥760,000、間接法で記帳)を¥400,000で売却し、売却代金は今月末に受け取ることになっている。
- ア.備品
- イ.現金
- ウ.減価償却累計額
- エ.固定資産売却損
- オ.固定資産売却益
- カ.未収入
◆ 解答
第1問
◆ 解説
第1問 仕訳問題
-
不用となった備品の簿価(取得原価-減価償却累計額)と売却金額との差額は「固定資産売却益(収益)」または「固定資産売却損(費用)」で処理する。また、売却代金については主たる営業活動以外から生じる債権であるため「未収入金(資産)」で処理する。(第154回一部改題)
※ 固定資産売却損:{¥1,300,000(取得原価)-¥760,000(減価償却累計額)}(簿価)-¥400,000(売却金額)=¥140,000
-
テナントを賃貸する契約を締結し、1か月分の家賃¥77,000および敷金(家賃2か月分)を当座預金口座より振り込んだ。
- ア.普通預金
- イ.当座預金
- ウ.差入保証金
- エ.建物
- オ.支払家賃
- カ.支払手数料
◆ 解答
第1問
◆ 解説
第1問 仕訳問題
-
家賃は「支払家賃(費用)」、敷金は「差入保証金(資産)」で処理する。
※ 差入保証金:¥ 77,000×2か月=¥154,000
-
従業員にかかる健康保険料¥220,000を普通預金口座から納付した。このうち従業員負担分¥109,600は社会保険料預り金からの支出であり、残額は会社負担である。
- ア.普通預金
- イ.当座預金
- ウ.給料
- エ.社会保険料預り金
- オ.法定福利費
- カ.所得税預り金
◆ 解答
第1問
◆ 解説
第1問 仕訳問題
-
健康保険料のうち、会社負担分は「法定福利費(費用)」で処理する。(第153回一部改題)
※ 法定福利費:¥220,000(支払額)-¥109,600(社会保険料預り金)=¥110,400
-
当社が所属する同業者団体への年会費¥10,000を現金で支払った。
- ア.普通預金
- イ.諸会費
- ウ.差入保証金
- エ.支払手数料
- オ.現金
◆ 解答
第1問
◆ 解説
第1問 仕訳問題
-
同業者団体への年会費は「諸会費(費用)」で処理する。
-
販売用の中古車を¥1,800,000で購入し、代金は掛けとした。なお、当社は中古車販売業を営んでいる。
- ア.車両
- イ.仕入
- ウ.未払金
- エ.買掛金
- オ.減価償却累計額
◆ 解答
第1問
◆ 解説
第1問 仕訳問題
-
中古車販売業を営む会社が販売用の中古車を購入した場合には、商品売買に該当するため「仕入(費用)」と「買掛金(負債)」で処理する。(第151回一部改題)
-
商品¥30,000を売り渡し、代金のうち¥20,000は他店発行の全国百貨店共通券で受け取り、残額は現金で受け取った。
- ア.売上
- イ.受取商品券
- ウ.売掛金
- エ.現金
- オ.受取手形
◆ 解答
第1問
◆ 解説
第1問 仕訳問題
-
商品代金として他店が発行する商品券を受け取った場合には、「受取商品券(資産)」で処理する。
-
仕入勘定において算定された売上原価¥2,440,000を損益勘定に振り替えた。
- ア.売上原価
- イ.仕入
- ウ.売上
- エ.繰越利益剰余金
- オ.損益
◆ 解答
第1問
◆ 解説
第1問 仕訳問題
-
当期の収益と費用を損益勘定に振り替え、損益勘定において当期純損益を計算するための仕訳を決算振替仕訳という。この場合に費用は損益勘定の借方に集計される。(第150回一部改題)
-
得意先大分商店の倒産により、同店に対する売掛金¥360,000(前期販売分)が貸倒れとなった。なお、貸倒引当金の残高が¥140,000ある。
- ア.売上
- イ.売掛金
- ウ.償却債権取立益
- エ.貸倒損失
- オ.貸倒引当金
◆ 解答
第1問
◆ 解説
第1問 仕訳問題
-
前期に発生した売掛金が貸倒れた場合には、前期の決算において当該売掛金が貸倒引当金の設定対象となっているため、「貸倒引当金(資産の評価勘定)」を取り崩す。なお、金額に残額がある場合には「貸倒損失(費用)」として処理する。
-
土地付き建物¥8,400,000(うち建物¥2,400,000、土地¥6,000,000)を購入し、売買手数料(それぞれの3%)を加えた総額を普通預金口座から振り込むとともに引き渡しを受けた。
- ア.普通預金
- イ.未払金
- ウ.建物
- エ.土地
- オ.仕入
- カ.買掛金
◆ 解答
第1問
◆ 解説
第1問 仕訳問題
-
資産の取得に要する諸費用は、資産の取得原価に加算する。そのため、建物付き土地の取得に要する売買手数料を建物と土地の取得原価に加算する。(第151回一部改題)
※ 建物:¥2,400,000+¥2,400,000×3%(売買手数料)=¥2,472,000
土地:¥6,000,000+¥6,000,000×3%(売買手数料)=¥6,180,000
-
店舗の駐車場として使用している土地の本月分賃貸料¥60,000が普通預金口座から引き落とされた。
- ア.普通預金
- イ.当座預金
- ウ.支払家賃
- エ.支払手数料
- オ.支払地代
◆ 解答
第1問
◆ 解説
第1問 仕訳問題
-
駐車場代は「支払地代(費用)」として処理する。(第140回一部改題)
-
従業員7名の給料から源泉徴収していた1月から6月までの所得税合計額¥77,600を、銀行において納付書とともに現金で納付した。ただし、この納付方法については所轄税務署長より納期の特例を承認されている。
- ア.給料
- イ.法定福利費
- ウ.所得税預り金
- エ.現金
- オ.社会保険料預り金
◆ 解答
第1問
◆ 解説
第1問 仕訳問題
-
従業員の給料から源泉徴収を行った時に「所得税預り金(負債)」として処理されているため、これを減額する。(第140回一部改題)
-
昨年度に得意先が倒産し、その際に売掛金¥200,000の貸倒れ処理を行っていたが、本日、得意先の清算に伴い¥60,000の分配を受け、同額は普通預金口座に入金された。
- ア.貸倒損失
- イ.売掛金
- ウ.普通預金
- エ.償却債権取立益
- オ.貸倒引当金
◆ 解答
第1問
◆ 解説
第1問 仕訳問題
-
前期以前に貸倒処理された債権が、回収された場合には「償却債権取立益(収益)」として処理する。(第141回一部改題)
-
従業員が出張から帰社し、出張旅費に関する次の領収書を受け取った。なお、旅費の概算額¥5,000を支払っており、現金で精算した。
- ア.現金
- イ.仮受金
- ウ.旅費交通費
- エ.仮払金
- オ.立替金
◆ 解答
第1問
◆ 解説
第1問 仕訳問題
-
旅費の精算書が提出された場合には、旅費に要した額を「旅費交通費(費用)」として処理する。旅費の概算払い額については、「仮払金(資産)」で処理されているため、仮払金を減額する。