日商簿記3級 想定問題集
第2回
第1問
下記の各取引について仕訳しなさい。ただし、勘定科目は、各取引の下の勘定科目から最も適当と思われるものを選び、記号で解答すること。
-
営業に用いている建物の改良・改修工事を行い、代金¥2,800,000を、小切手を振り出して支払った。支払額のうち¥1,800,000は建物の価値を高める資本的支出であり、残額は機能維持のための収益的支出である。
- ア.現金
- イ.当座預金
- ウ.売上
- エ.建物
- オ.修繕費
- カ.資本金
◆ 解答
◆ 解説
-
建物の改良・改修工事のうち、建物の価値を高める資本的支出は「建物(資産)」で処理し、機能維持のための収益的支出は「修繕費(費用)」で処理する。(第156回一部改題)
-
四谷商事はクレジットカード払いで商品¥180,000を販売した。なお、信販会社への手数料は販売代金の1%であり、販売時に計上する。
- ア.売掛金
- イ.支払手数料
- ウ.売上
- エ.クレジット売掛金
- オ.仕入
- カ.買掛金
◆ 解答
◆ 解説
-
クレジットカード払いでの販売は、通常の売掛金と区別するために「クレジット売掛金(資産)」で処理し、信販会社へ支払う手数料は「支払手数料(費用)」で処理する。
- 支払手数料:¥180,000(販売金額)×1%(手数料)=¥1,800
-
仕入先より商品¥2,000,000を購入し、代金のうち¥500,000は先に支払っている手付金と相殺し、残額は掛けとした。なお、引取運賃¥33,000を現金で支払っている。
- ア.支払手数料
- イ.前払金
- ウ.現金
- エ.仕入
- オ.買掛金
- カ.売上
◆ 解答
第1問 仕訳問題
商品の購入に付随する費用は取得原価に加算するため、「仕入(費用)」として処理する。なお、手付金として先に支払っている「前払金(資産)」があるため相殺し、残額を「買掛金(負債)」で処理する。
- 仕入:¥2,000,000+¥33,000(引取運賃)=¥2,033,000
-
建物および土地の固定資産税¥100,000の納付書を受け取り、未払金に計上することなく、ただちに当座預金口座から振り込んで納付した。
- ア.建物
- イ.土地
- ウ.租税公課
- エ.当座預金
- オ.未払金
- カ.法人税等
◆ 解答
◆ 解説
固定資産税の納付は「租税公課(費用)」で処理する。(第152回一部改題)
-
清掃会社からの事務所クリーニング代¥39,600、および倉庫会社からの商品の管理手数料¥77,000の請求書を受け取った。
- ア.現金
- イ.買掛金
- ウ.雑費
- エ.未払金
- オ.保管費
- カ.支払手数料
◆ 解答
◆ 解説
事務所のクリーニング費用は「雑費(費用)」、商品の管理手数料は「保管費(費用)」で処理するが、請求書を受け取っただけで代金の支払いは行われていないため、「未払金(負債)」で処理する。
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清銀行から¥3,000,000を借り入れ、同額の約束手形を振り出すとともに、利息を差し引かれた手取金を当座預金とした。なお、借入期間は8か月、年利率は2.4%であり、利息は月割計算する。
- ア.支払手形
- イ.支払利息
- ウ.借入金
- エ.手形借入金
- オ.当座預金
- カ.普通預金
◆ 解答
◆ 解説
銀行から借り入れると同時に同額の約束手形を振り出しているため、「手形借入金(負債)」で処理し、差し引かれた利息は「支払利息(費用)」で処理する。(第157回一部改題)
- 支払利息:¥3,000,000×2.4%×8か月/12か月=¥48,000
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金銭の借用書に添付するための収入印紙¥1,000を郵便局で購入し、代金は現金で支払った。収入印紙は即座に使用している。
- ア.借入金
- イ.支払手数料
- ウ.租税公課
- エ.雑費
- オ.現金
◆ 解答
◆ 解説
収入印紙は「租税公課(費用)」で処理する。
-
得意先から売掛金の入金があり、振込手数料(当店負担)¥330が差し引かれた残額の¥199,670が普通預金口座に振り込まれた。
- ア.普通預金
- イ.売掛金
- ウ.買掛金
- エ.支払手数料
- オ.支払利息
- カ.当座預金
◆ 解答
◆ 解説
当店負担の振込手数料は「支払手数料(費用)」で処理する。
- 売掛金:¥199,670(振込額)+¥330(振込手数料)=¥200,000
-
法人税等の中間申告を行い、法人税¥600,000、住民税¥180,000、事業税¥300,000を現金で納付した。
- ア.仮払法人税等
- イ.法人税等
- ウ.現金
- エ.未収法人税等
- オ.未払法人税等
- カ.租税公課
◆ 解答
◆ 解説
法人税等の中間申告額は、「仮払法人税等(資産)」で処理する。
-
八王子株式会社は、会社設立に際して株式1,000株を1株につき¥1,000で発行し、全株式の払い込みを受け、払込金額は当座預金とした。
- ア.資本金
- イ.繰越利益剰余金
- ウ.当座預金
- エ.現金
- オ.損益
- カ.借入金
◆ 解答
◆ 解説
株式を発行し、払込を受けた場合には「資本金(純資産)」として処理する。
- 資本金:¥1,000株×@¥1,000=¥1,000,000
11.従業員の給料の支払いにあたり、給料総額¥1,250,000のうち、本人負担の社会保険料¥150,000と、所得税預の源泉徴収分¥54,200を差し引き、残額を当座預金口座より振り込んだ。
ア.当座預金 イ.給料 ウ.法定福利費 エ.社会保険料預り金 オ.所得税預り金 カ.租税公課
解 答
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仕 訳 |
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借 方 科 目 |
金 額 |
貸 方 科 目 |
金 額 |
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37 |
イ |
1,250,000 |
ア |
1,045,800 |
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|
エ |
150,000 |
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|
オ |
54,200 |
解 説
給料の支払時に従業員から預かる社会保険料は「社会保険料預り金(負債)」、所得税の源泉徴収分は「所得税預り金(負債)」で処理する。(第142回一部改題)
(借) |
給料 |
1,250,000 |
(貸) |
当座預金 |
1,045,800 |
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(〃) |
社会保険料預り金 |
150,000 |
|
|
|
(〃) |
所得税預り金 |
54,200 |
※ 当座預金:¥1,250,000(給料総額)-¥150,000(社会保険料預り金)
-¥54,200(所得税預り金)=¥1,045,800
12.前期の決算において家賃の前受額¥120,000を計上していた。本日、再振替仕訳を行った。
ア.未収家賃 イ.前受家賃 ウ.受取家賃 エ.損益 オ.未払家賃 カ.繰越利益剰余金
解 答
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仕 訳 |
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借 方 科 目 |
金 額 |
貸 方 科 目 |
金 額 |
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38 |
イ |
120,000 |
ウ |
120,000 |
解 説
⑴ 家賃受取時
(借) |
現金預金 |
120,000 |
(貸) |
受取家賃 |
120,000 |
⑵ 前期の決算
当期において計上すべき「受取家賃(収益)」が既に計上されているため「前受家賃(負債)」を計上して除外する。
(借) |
受取家賃 |
120,000 |
(貸) |
前受家賃 |
120,000 |
⑶ 当期首の再振替仕訳(解答)
前受家賃を取り崩し、当期の受取家賃として計上する。
(借) |
前受家賃 |
120,000 |
(貸) |
受取家賃 |
120,000 |
13.備品(X5年4月1日に取得、取得原価¥1,500,000、残存価額はゼロ、耐用年数5年、定額法により償却、間接法により記帳)をX8年7月31日に¥330,000で売却し、売却代金は翌月末日に受け取る契約にした。なお、当社の決算日は3月31日である。減価償却費は月割計算によること。
ア.減価償却累計額 イ.備品 ウ.固定資産売却損 エ.未収入金 オ.減価償却費 カ.固定資産売却益
解 答
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仕 訳 |
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借 方 科 目 |
金 額 |
貸 方 科 目 |
金 額 |
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39 |
エ |
1,800,000 |
イ |
2,800,000 |
オ |
1,000,000 |
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解 説
備品の簿価(取得原価-減価償却累計額)と売却金額との差額は「固定資産売却益(収益)」または「固定資産売却損(費用)」で処理する。期中において売却しているため期首から売却時までの「減価償却費(費用)」を計上する必要がある。また、売却代金については主たる営業活動以外から生じる債権であるため「未収入金(資産)」で処理する。
(借) |
未収入金 |
330,000 |
(貸) |
備品 |
1,500,000 |
(〃) |
減価償却累計額 |
900,000 |
|
|
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(〃) |
減価償却費 |
100,000 |
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|
(〃) |
固定資産売却損 |
170,000 |
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※ 減価償却累計額:¥1,500,000×3年(X5年4月1日~X8年3月31日)/5年(耐用年数)=900,000
減価償却費:¥1,500,000×4か月(X8年4月1日~X8年7月31日)/5年(耐用年数)=¥100,000
固定資産売却損:{¥1,500,000(取得原価)-¥900,000(減価償却累計額)
-¥100,000(期中減価償却費)}(簿価)-¥330,000(売却金額)=¥170,000
14.現金の帳簿残高が実際有高より¥7,600不足していたので、現金過不足勘定で処理していたが、その後原因を調査したところ、手数料の受取額¥25,000および旅費交通費の支払額¥22,000が記載漏れとなっていた。残額は原因が不明であるため、雑益又は雑損として処理する。
ア.現金過不足 イ.旅費交通費 ウ.雑益 エ.現金 オ.雑損 カ.受取手数料
解 答
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仕 訳 |
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借 方 科 目 |
金 額 |
貸 方 科 目 |
金 額 |
|
40 |
イ |
22,000 |
カ |
25,000 |
ア |
7,600 |
ウ |
4,600 |
解 説
⑴ 現金過不足計上時(既に仕訳済み)
(借) |
現金 |
7,600 |
(貸) |
現金過不足 |
7,600 |
⑵ 原因判明時
「現金過不足(仮勘定)」から判明した適切な勘定科目へ振り替える。
(借) |
旅費交通費 |
22,000 |
(貸) |
受取手数料 |
25,000 |
(〃) |
現金過不足 |
3,000 |
|
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|
⑶ 残額の処理
(借) |
現金過不足 |
4,600 |
(貸) |
雑益 |
4,600 |
⑷ ⑵+⑶(解答)
(借) |
旅費交通費 |
22,000 |
(貸) |
受取手数料 |
25,000 |
(〃) |
現金過不足 |
7,600 |
(〃) |
雑益 |
4,600 |
15.商品を販売し、商品とともに納品書兼請求書の原本を発送し、代金の全額を掛けとして処理した。
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納品書兼請求書(控) |
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久留米商事株式会社 御中 |
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株式会社テラス |
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商品名 |
数量 |
単価 |
金額 |
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電卓 |
50 |
8,000 |
¥ 400,000 |
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簿記検定対策問題集 |
100 |
1,700 |
¥ 170,000 |
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||||
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|
小 計 |
¥ 570,000 |
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|
消 費 税 |
¥
57,000 |
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合計金額 |
¥ 627,000 |
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X3年3月10日までに合計額を下記の口座へお振込み下さい。 |
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旭銀行札幌支店 当座 1234567 カ)テラス |
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ア.買掛金 イ.売掛金 ウ.仕入 エ.売上 オ.仮払消費税 カ.仮受消費税
解 答
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仕 訳 |
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借 方 科 目 |
金 額 |
貸 方 科 目 |
金 額 |
|
41 |
イ |
627,000 |
エ |
570,000 |
|
|
カ |
57,000 |
解 説
商品の販売時に預かる消費税は「仮受消費税(負債)」として処理する。
(借) |
売掛金 |
627,000 |
(貸) |
売上 |
570,000 |
|
|
|
(〃) |
仮受消費税 |
57,000 |