転職市場で一定の評価を得られるのは、日商簿記の中でもやはり2級からでしょうか。
ここでは長年、会計専門学校で簿記講師を務める鯖江悠平先生に「最短で日商簿記2級に合格できる可能性がある勉強スケジュール」についてお伺いしました。
これから日商簿記2級に挑戦しようと思っている方には、非常に有益な情報になると思いますので、ぜひ参考になさってください。
目次
日商簿記3級を飛ばすメリット・デメリット
日商簿記3級は合格率から見ると比較的簡単だと言われているため、できればこれを飛ばしていきなり日商簿記2級に挑戦したいと思う方がいても不思議ではありません。
そのうえであえて最短スケジュールで合格するために、日商簿記3級の受験を飛ばすメリット・デメリットについてお話いたします。
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メリット
これはずばり合格までの時間の短縮です。
日商簿記3級に合格するために過去問などを含めて対策する時間、実際にテストを受けに行く時間、それらを取られずにある程度理解ができたら日商簿記2級の勉強に移行することができます。
また日商簿記3級は受験料が3,300円なのですが、当然それもかかりません。 -
デメリット
日商簿記2級の勉強時間は、日商簿記3級と比べると3倍以上かかると言われています。それは勉強内容もぐっと難しくなり、レベルがあがるからです。
もし段階を踏んで受験をしていれば、日商簿記3級に合格したという自信を持って次の試験に挑戦することができます。しかし、それがないまま日商簿記2級の試験を受けて落ちてしまった場合、その後のモチベーションを保つことが難しくなってきます。
実際に日商簿記3級の合格率は40~50%ですが、これが日商簿記2級になると10~30%と大変少なくなってくることからも、合格が難しいことがわかると思います。
日商簿記2級に最短で合格するための勉強の3つのポイント
日商簿記2級のテキストでは、3級の試験で問われる知識に関する詳細な説明はされていません。そのため前述したとおり、日商簿記3級レベルの知識はある程度、自分で理解しておくことが必要になります。
その上で難易度の高い日商簿記2級に合格するための勉強のポイントについてもお話いたします。
POINT1 無料コンテンツを利用して、日商簿記3級を勉強する
日商簿記3級に関しては、YouTubeや商工会議所、資格の学校などから無料で勉強できるツールが多数公開されています。まずはそういったものを利用して日商簿記3級の知識を身につけましょう。さらに3級の問題集を解いてみることで、知識を定着させることができます。
POINT2 サンプル問題などを見て、日商簿記2級にどのような勉強が必要なのかを把握する
ある程度、日商簿記3級の問題が解けるようになったら、次は商工会議所が公開している日商簿記2級のサンプル問題を見てみましょう。
独学では厳しいと思えるほど難易度はあがってくるため、ここでモチベーション維持の方法を考えなくてはなりません。一人でコツコツ勉強できる方は問題ないのですが、難しい場合は資格の学校などに通い、わからないところを教え合う仲間を作るなどもひとつの手です。
POINT3 問題全部を完璧に解けるとは思わず、解ける部分を探すクセを身につける
日商簿記2級になってくると、大変難しい問題が出題されるようになります。その時に「これは解けない」と全部を切り捨ててしまうのではなく、
100日後に日商簿記2級に合格するためのスケジュール
この記事では、
ここではサンプルとして合格するための勉強時間について、だいたいの目安をお話いたします。
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日商簿記3級の勉強時間:約20日
無料のコンテンツを利用した場合、授業はだいたい16時間程度のものが多いと思います。
残りの日数(12日)で問題集などを解き、知識の定着と完成を目指します。
授業時間:1日2時間×8日=16時間
勉強時間:1日2時間×12日=24時間 -
日商簿記2級の勉強時間:約80日
日商簿記2級に合格するための勉強時間は最低でも200時間~300時間は必要です。
平日:2時間×5日=10時間
土日:5時間×2日=10時間
これで週当たり20時間の勉強時間を確保できます。
80日を11.5週とすると、下記の通りとなります。
20時間×11.5週=230時間 -
短期合格には、やはり「努力」が必要
上記のペースで勉強をしていけば、80日で目安となる200時間以上の勉強時間を確保することができます。
平日2時間の勉強時間の確保、仕事をしながらだと難しいと感じますか?
しかし、やはり短期間で日商簿記2級に合格するという目標であれば、このくらいの努力は必要だと思ってください。
わたしが講師を務める専門学校に入学する生徒の中には、4月に入学して11月の日商簿記1級に合格するというハイペースの方もいるくらいです。そういった生徒は必ず講義以外にも勉強時間を多くとり努力を重ねています。
このペースで勉強するということは、合格のために得意な部分は完璧に、苦手な部分は得点できる部分を探して解答するという試験戦略も必要になります。
日商簿記は資格の取得がゴールではない
ここまでは
どうかそのことを忘れず、あなたのキャリアにプラスになるよう努力をしていただければと思います。